バングラディッシュでカバンメーカー
様々なところで紹介されているのかもしれませんが、アジア最貧国のひとつ、バングラディッシュで、マザーハウスというカバンメーカーを創設したひとりの女性がいます。
その人が、会社を創設したのが24のとき。私と同じ年齢です。
途上国で国内メーカーや世界のトップメーカーと遜色ない製品を作るのは並大抵の努力ではありません。
マザーハウスのサイトを見ると、値段も日本のカバンメーカーとほとんど変わらないのです。
この人の失敗を恐れない行動力を考え、自分に照らし合わせて考えてしまいます。
他方、途上国支援という観点からこの事業を見ると、学ぶところは多いです。
「してあげる」型の支援では、その国の成長は見込めません。
「もらえる」という意識がその国の人に埋め込まれてしまうからです。
例えば、日本がお金を出して、ある橋を造ったとします。確かに、その国の人の生活は改善されるでしょう。
しかし、生活は改善されても、それで終わりです。それ以上の成長は見込めません。
日本が、戦後数十年で、世界有数の経済大国に成長できたのは、軍需によるものだったとはいえ、産業が成長したからに他なりません。
現在、発展途上国と言われる国々も、その国の衛生改善、政治のクリーン化、教育といった援助の他に、産業を育てていくような支援が必要とされます。
産業を育てなければ、援助によって折角改善された環境が、他国の援助なくしては維持できなくなってしまうからです。
その産業も、その国に合った産業でなければならず、押しつけではなりません。
そして、それはお情けで、買って貰えるようなものでは駄目なのです。
このマザーハウスは、バングラ製だということを前面に押し出しているわけではありません。
それなのに、ウェブサイトで見る限りは、日本のものと遜色ありません。
この会社のやっていることは実は究極の国際協力なのかもしれません。