Livre para Viver

日本語とポルトガル語とその周辺

在日外国人教育という問題

翻訳の仕事が、最近まわってくることが多いのですが、主に在日外国人に対する援助に関するものなど、経済危機に対応したものが多くなっています。

在日ブラジル人向け新聞のインターナショナル・プレス、フリーペーパー"Vitrine"などでも、いろいろと書かれています。

日本にきているブラジル人の多くは、いわゆるデカセギです。

日本の工場で派遣労働者などとして、働いている人がほとんどです。

特に、浜松、太田などといった地方に住むブラジル人は、全てといっても過言ではありません。

これらの子ども達は、日本の学校に通っている子もいますし、いわゆる定住外国人集住都市に住んでいるブラジル人の子はブラジル人学校に通っている子もいます。

ただ、問題とされるのは、お金がなくブラジル人学校を去り、日本の学校にいく子どもたちや、学校に行かない不就学(不登校とは異なります)の子どもたちです。

本の学校では、いままでブラジル人学校で学び、日本語があまり得意でない子どもたちが入ってきているようです。

こういった子ども達は、各々のもつ日本語力が異なります。

いままでの、ブラジル人学校か日本の学校かの選択で日本の学校を選んだこどもたちとは、異なり、やむを得ず日本の学校で学ぶことになった子が多いです。

当然、友達も一からつくらなければなりません。

本の学校に適応していくためには、日本語能力だけでなく、総合的な日本人とのコミュニケーションの力、精神的なサポートが今まで以上に必要になってくると考えられます。

しかし、これらの子ども達の援助は、待遇のあまりよくない加配教員やボランティアに頼っている現状が様々な都市で見られます。

画期的な試みをしている鈴鹿市教育委員会(川上ほか2009)*でさえ、公立学校における日本語学校の教員に対する給与を県と国からの援助で支払い、現職教員にくらべて低い条件で働いているのが現状のようです。

こういった子ども達が増え続けるかもしれないという状況を鑑みれば、ある一定以上の待遇を保証していかなくては、破綻していきます。

日本語教育や適応支援を充実させていき、外国人の子どもたちが、日本の学校に入っていくときの問題を解決していく方策を立てなくてはならないように思います。

ちょっと不謹慎な言い方ですが、せっかくの日本の子ども達が多様な世界を知ることのできる良い機会なのですから・・・。

*川上郁夫・水井健次・中川智子・池上摩希子・野山広 (2009)「学校現場の日本語教育支援システムをどう築くかーJSL児童生徒のための「鈴鹿モデル」の挑戦ー」『2009年度日本語教育学会春季大会予稿集』pp.53-64, 日本語教育学会.