Livre para Viver

日本語とポルトガル語とその周辺

大阪市で日本語教室廃止の意向?

ごぶさたしております。

専門というわけではないのですが、地域日本語教育に関する話題です。

今日、フェースブックをみていたら、このような記事が目に尽きました。

読み書きができない人が学ぶ識字教室や在日外国人向けの日本語教室が、大阪市内の各地で開かれている。このうち、10館ある「市民交流センター」での教室が、2013年度末で廃止になりそうだ。市が先月、センター自体の廃止を打ち出したためだ。(1)

本当だとしたら、かなり衝撃的なニュースです。

何らかの理由で文字が習得できなかったり、日本語を習得していない人に対して、ボランティアで行っている教室の廃止です。

多少なりとも日本語教育に携わっている者として、これはショックでした。

いまや、日本には多くの外国人が住んでいる時代。しかし日本では日本語が広く使われています。外国から日本にやってきた人達が、地域社会で文化的な生活を送るためには日本語がある程度分かっている方が良いでしょう。そういった人達が日本語を学ぶ機会を奪ってしまう今の大阪市の施策には、邪魔な弱い者には施しをしないでおこう、という意識があるのではないかと疑ってしまいます。

地域の日本語教育は主に、ボランティアが中心になって支えています。行政は、生活者の日本語教育にお金を出さないからです。善意で行われているこういった場を奪ってしまおうとすることの理由が分かりません。

それから、何らかの理由で文字の読み書きができない人に対しての識字教育。文字を読んだり書いたりできることは、やはり、現代社会で生活するためには必要なことだと思います。文字を読まなければいけないたびに、誰かに頼むというのは、結構しんどいことでしょう。

本来は行政がかなりのお金を出してでもやるべきことでしょう。行政が発行する書類は全部日本語なわけですし、住民はみんな日本語が読めるということを前提にしているわけですし。それを行政が行わず、ボランティアで行われている教室までも奪ってしまうとは、横暴なことこの上ないような気がします。

大阪市は、このような考えを撤回して欲しいと思います。

 

(1) 「識字教室、外国人日本語教室 10館廃止へ朝日新聞デジタル (2012年6月27日アクセス)