Livre para Viver

日本語とポルトガル語とその周辺

家事サポート支援での外国人受け入れについて思う・・・。

以前から自民は育休3年だとか謎の女性就労支援政策を打ち出していますが、それらには、呆れてものがいえませーん、って感じでした。

しかし、次の記事には、憤りすら覚えたのは、私だけではないでしょう。

家事サポート外国人で女性支援へ NHKニュース

政府は、女性の社会進出を後押しするため「国家戦略特区」を活用して、家事をサポートする外国人労働者を受け入れる方針を固め、今月まとめる新たな成長戦略に盛り込むことにしています。 (強調は筆者)

つまりベビーシッターや家政婦(夫)として安い労働力を入れ、それによって、共働きが容易になるようにするということですよね。

これって、担い手が少ないから、介護士や看護師、工場で働く人たちや、高度な能力を持った人を受け入れるのと話しが全く違う気がするんです。

ここでは、問題点を2つに絞って考えていきたいと思います。

日本国籍を持つ人はキャリアを積めるが・・・

この政策をまともに受け取るとこういうことですよね。

家事を担う労働者を入れる→すでに日本に住んでいる夫婦(日本人によらず)は共働きができる→順調にキャリアを積んで高収入

つまり、既に日本に住んでいる人は、このメリットを享受できることでしょう。今まで、働きたくても働けなかった人が働けるようになりますし、一見すると良い政策です。

しかし、日本にやって来る人のことを考えてみましょう。

出身国よりも少し高い賃金が貰えると聞いて、日本に来ました。家事手伝いやベビーシッターとして働くとします。

このような仕事は、経験が増せば賃金が上がるとは限りません。また、より良い仕事に就こうとしても、家事の手伝いがお仕事だと、転職してそれ以外の仕事につくのは、なかなか難しいのではないでしょうか。(しかも政府は、新たなビザを作るとか分けワカメなことをほざいています。)

移民を受け入れるのであれば、他の日本に既に住んでいる人と同じ土俵を提供すべきです。労働者が足りないから人を受け入れるというのであれば、家事サポートに限らず、全ての職種が選べるべきです。職業選択の自由がないのであれば、奴隷と何ら変わりはないと思います。

議論の観点はそこ?

 この記事では、次のように続きます。

一方、外国人労働者を家庭に受け入れることには、ことばや習慣の違いによるトラブルを懸念する声もあり、今後議論を呼びそうです。 

「 ことばや習慣の違いによるトラブル」とはいかにも、受け入れ側の問題です。家庭に受け入れてことばが通じないとか、習慣が違って困るとかってことですよね。これって、例えが悪いですが「安い洗濯機を買ったら、音がうるさいし、脱水できないし困る」みたいなのと、大して変わらないのでは・・・。モノ扱いして

それよりも、まず、日本にやって来る人たち目線であるべきじゃないのでしょうか。

「ことばや習慣の違いによるトラブル」は、初めて住む国にやってきた彼らが経験することであり、彼らの苦労を懸念するのであれば分かります。

それがクリアにされてから、初めて、受け入れ側の困ることが、議論されるべきことなのではないか、と思います。

やって来る人たちのことがないがしろにされ、「女性の就労を後押しするには、家事サポートが必要」だから「人を日本に連れてこれば良い」という安易な、そして、極めて自己中心的な視点での政策に感じます。

人をモノとしか扱っていないことが浮き彫りになるような、なんとも悲しくなる政策です。

人はモノではない

人をモノとしか扱っていないことは、技能実習生に関する記事などを読んでも感じます。

日本の人たちが良い生活をするために、外国人に仕事を低賃金でさせる。

明らかな人権無視、人を物としてしか扱っていないような印象を受けます。

 ※看護・介護の分野でも外国人が増えています。

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