Livre para Viver

日本語とポルトガル語とその周辺

今日で大学院を単位取得退学します

今日(2014年6月30日)で大学院を単位取得退学します。

つくばで大学院生を始めてから早7年以上がたちます。

修士号を取得後、退学する間もなく(5年一貫制のため何もしないと一般的な大学院の博士後期課程に入ってしまいます。)博士課程に上がってしまいました。

しかし、持ち前の怠惰な性格が災いし、7年もいることになってしまいました。

博論を書くのに期間が足りない

TA(ティーチングアシスタント)やTF(ティーチングフェロー)、RA(リサーチアシスタント)などをやりながらちょっとずつ博士論文を書いていました。

しかし、それが災いして、休学期間が足りず、残りの在学期間では、博士論文の審査が終わらないということが判明。

そんなわけで、(不注意ではありますが、やむを得ず)単位取得退学という形で退学することになりました。

博士論文は退学後すぐに、予備審査に入ります。なので鋭意執筆中です。

早ければ今年のうちに、遅くとも年度内には、博士号を取得できると思います。

忘れないうちに・・・

そんなわけで、博論を書かなくてはならないのですが、退学を期に、大学院でしてきたイベントを振り返る意味で、このエントリーを書くことにします。

入学〜修論まで

入学から修論までの期間は、学部の時から続けていた塾の講師として働きつつ、翻訳業をちょくちょくやりながら身を立てていました。

日本語教育能力検定にも合格しました。

そんな中、日本語教育学会に行ったときに聞いたとあるポスター発表をされていた方とご縁があり、お手伝いをすることになりました。

日本語学習者向けの語彙集に対応したドリルの作成のお手伝いをすることになりました。修論執筆中の厳しい時期で(塾も極めて忙しく)大変でしたが、良い経験となりました。

この本の元になった語彙集です。

JSL中学高校生のための教科につなげる学習語彙・漢字ドリル ポルトガル語版

JSL中学高校生のための教科につなげる学習語彙・漢字ドリル ポルトガル語版

  • 作者: 中学・高校生の日本語支援を考える会,樋口万喜子
  • 出版社/メーカー: ココ出版
  • 発売日: 2012/04/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 修論の執筆後は、日本語学校とコンタクトを取り、日本語学校での仕事も始まります。

日本語学校と発表と

日本語学校でのお仕事は、新鮮でした。

資格は持っているのに、教壇に立った経験が一切なかったため、周りの人に迷惑を掛けながらやっていきました。最初にもったクラスは印象的で、学生も懐いてくれ、楽しい毎日を送っていました。

しかも担当は主に初級クラスと初中級クラスだったので勉強になりました。が、初めてということもあり、準備等本当に大変でした。

使用していた教科書は『みんなの日本語(旧版)』でした。

みんなの日本語 初級I 第2版 本冊

みんなの日本語 初級I 第2版 本冊

 

 修士のときには、あまりやっていなかった発表をこの頃から増やしていきました。2009年以来、年に1回は学会発表をすることを目標にしています。

2010年には、カナダ・ブラジルと海外での発表2件。ブラジルでの発表では、現地に知り合いが何人もできました。

カナダ・ブラジルに行ってきます - Livre para Viver

カナダは何とエコノミーからエグゼクティブにアップグレード。ラッキーでした。

日系2世の従兄弟夫婦にもあったり、カナダで留学している日本人の方と飲んだりと楽しかったです。

カナダに行ってきました - Livre para Viver

非常勤講師の仕事

縁あって、神田外語大学にて専攻語学生1・2年生の初級ポルトガル語と、3・4年生の少しアドバンスドな専門ポルトガル語の授業を非常勤講師として担当することになったのが2012年。

初めての大学での仕事です。

文法の授業を担当した1年生の学生からは、「戻ってきてくださいよー」と言われるのですが、まぁそうもいかないところが悲しいところ。

今年は、3・4年生向けの専門ポルトガル語の授業のみを担当しています。

媒介語を使わないでポルトガル語の授業をしてみた件 - Livre para Viver

サイトトランスレーションを通訳法の授業でやってみた - Livre para Viver

また、今年度は縁あって、海洋大で日本語の補習授業の講師も担当しました。日本語学校以来の学校での日本語教育。久々に、日本語教育の楽しさを思い出しました。

辞書の執筆など辞書関係のお仕事

これも縁あって、2014年刊行予定の辞書の分担執筆を担当しました。

小学館から刊行される予定の辞書で、基礎語彙以外についても例文が豊富に載っています。

そのメリットが、執筆時の大変さに直結します(笑)。

ネイティブでない私は、例文を作るのに、ポルトガル語コーパスを参考にしたりで、四苦八苦。本当に大変でしたが、学習者の方にとっては便利な辞書ができあがるのではないかと思っています。

W杯、オリンピックで学習者が増えるのではないかと思います。

その他にも、学内の仕事で、学習web辞書科研費プロジェクトのRAにも参加して、辞書関係が熱かった時期がありました。

はじめてのポルトガル語での発表

2012年に参加した、ブラジルでの日本学会での発表では、発表言語をポルトガル語で行いました。初めてのポルトガル語での発表でした。

研究そのものの対象は日本語なので、国内の学会では日本語で発表しますし、海外でも日本で発表していました。

しかし、ブラジルで2010年に初めて発表したときには、学部生が多く聞きにきてくれていて、質疑もあまりでませんでした。

そこで、2012年に発表したときにはポルトガル語にしたところ、質疑もたくさん出てきました。(先生が多かったのもあるのかも。)

調子にのって2013年に(国内の学会で)ポルトガル語で発表したら、時間オーバーという失態をやらかしてしまったのは、苦い思い出です。

カルチャーセンター・企業研修

去年からカルチャーセンター、今年から企業研修と、社会人の方に対して授業をする機会を頂いています。

恐らく、「こんな若造が!」という感じかもしれません。

既に、たくさんの社会経験をされている方に、ポルトガル語を教えるというのもまた新鮮です。

私自身が、いろいろと勉強させて頂いています。

テキストには、企業研修ではニューエクスプレスを使っています。とても良くまとまっていて便利です。

ニューエクスプレス ブラジルポルトガル語

ニューエクスプレス ブラジルポルトガル語

 

また、誤字脱字は多いものの、カラーで見やすい、ほどよいテキストとして、以下のものも使っています。

ブラジル・ポルトガル語を話そう!

ブラジル・ポルトガル語を話そう!

 

なんだかんだいろいろやってきたんだなぁ

としみじみ感じます。

履歴書を書くときにも感じますが、なんだかんだいろいろやってきたんだなぁと思います。

日本語教育ポルトガル語教育の両方に携われてきたことは、良い経験になりました。

今後も、日本語教育を軸にポルトガル語とも関われるような人生を歩んで行きたいなと思うところです。