観光客は行かないブラジル「ヨーロッパ風避暑リゾート地・Gramado(グラマード)」
2011年に書いた記事に加筆修正しました。(2014年5月17日)
7月末にブラジルに行ってきました。
今回は、サンパウロに最初の5日間はいて、その後ポルトアレグレ周辺を散策していました。
ブラジルのヨーロッパと言われるGramadoおよびCanelaです。
ヨーロッパ移民の多い土地
ブラジル最南端Rio Grande do Sul州の州都Porto Alegreは、サンパウロからおよそ飛行機で2時間弱。
大きな湖の畔にある町で、南部の経済の中心的な都市でもあります。
さて、ポルトアレグレの背後には、Serra Gaúcha (ガウーシャ山地)というのがあります。
この山地には、イタリアやドイツからの移民が多く入ってきていて、西欧風の町が多いことでも有名です。
今回は、その中でも、ブラジルでは避暑地(でもあり寒さを楽しむ土地でもある)として有名なGramado(グラマード)、そこからバスでおよそ20分ほどのCanela(カネーラ)を散策したのでご紹介します。
取り敢えず山登り
さて、長くなりましたが・・・
GramadoはPorto Alegre(POA)からバスでおよそ2時間。山の中をぐんぐん登って行ったところにあります。
ポルトアレグレのバスターミナルから出発します。日帰りが十分可能な距離です。(そもそも、Gramadoのホテルは高いところが多いです。)
当日は晴れていて、気温も20℃くらいまで上がり、およそ拍子抜け(当地では冬です)した感じだったのですが・・・。
バスに揺られること、2時間・・・。こんなこじんまりしたバスターミナルにたどり着きます。
ブラジルとは思えないゆったりした街
ブラジルの大都市は、車や人が多く、お世辞にもゆったりしているとは言いがたいです。
一方、Gramadoの町は、それほど大きくないので、時間が許せばゆっくり歩くことをおすすめします。
クルマが優先のブラジルですが、ここでは、横断歩道で渡ろうとしてくれるクルマを待ってくれます。待ってくれないとしたら市外ナンバー。
山の中で、都会では味わえないゆったりとした空気が楽しめます。
町の人達の優しさが感じられます。
さて、町を散策してみますが、家並みも、どこか秩序立っていてきれい。
それもそのはず、どの店も、それが、チェーン店や銀行の支店であっても、町にとけこめるような、雰囲気なのです。
空気も澄んでいて、散策も本当に気持ち良かったです。この日は20℃でしたが、太陽の日のもとで、半袖でもOKでした!
黒の湖?
サンパウロで買ったガイドブックには、オススメスポットとしてLago Negro (黒の湖)公園が載っていました。
黒の湖?とか絶対きれいじゃないだろ、と思ったのですが、街の散策もかねて、歩いて行って見ました。
距離にして、2キロ、30分くらいだったと思います。
この黒の湖、実は、名前から分かる通り、ドイツの黒の森に触発されて整備されたらしいです。
この湖の付近の森が焼けて真っ黒になってしまい、そのことから、黒の森という名前になったそうです。
いまでは、森もすっかり戻り、湖は、例の如く(笑)、アヒルボートに乗るリア充(笑)たちであふれています。
アジサイが多く、行った時期は冬だったのでかれていましたが、初夏に行くときっときれいなのだろうなと思います。Gramadoのある一帯はアジサイでも有名で、Região das Hortências (アジサイ地帯)とも呼ばれます。
まるで、ブラジルではなく、ドイツに行ったかのような景色です。
アジサイが咲き誇る時期にも来てみたいものです。
さて、街に戻ります。ブラジルは移民の国で、どこの街にも、教会やチャペルがあります。Gramadoも例外なく教会があります。
Igreja Matriz São Pedro (サンペドロ聖母教会)という名前ですが、石の教会とも呼ばれ、遠くから見るとまるで、レゴのようです。
ただ、個人的には、道中でみかけた、このちっちゃな教会の方が好きです。
GramadoからCanela(シナモン)の街へ
さてさて、さっきのバスターミナルにもどり、Gramado-Canela循環バスに乗り込みます。
R$1.00ですので、大変安いです。チケットはバスターミナルのカウンターで購入します。
このバス、どうやら、地元の人の地域間移動にも使われるようで、観光客のほうがむしろ少ないです。
片側2車線の良く整備された道を、観光客向けの店を眺めながら、15分ほどでCanelaの街に到着。
CanelaはGramadoほど観光地化されておらず、ほのぼのした、こちらも素敵な街です。
ここも、クルマが人を待ってくれます。
Gramadoのように人も多くなく、本当に住んでみたくなる街です。街の人ものんびり!
さて、Canelaで有名なのは、このCatedral de Pedra (石の大聖堂)です。
人口4万に満たない街に、そぐわない(?)威風堂々としたこの感じ、圧巻です。
大都市の大聖堂のように、人がいっぱいということもなく、地元の人が、のんびーりと過ごしています。
街の名前、Canelaとはシナモンの意味で、シナモンの木がはえていたことに由来するらしいです。
今も、この街の中心地にある公園に、シナモンの木が生えているらしいですが、どれがシナモンの木なのか分かりません。(笑)
さて、散策しているうちに、昼間には20℃あった気温が一気に下がり13℃くらいまでになってきました。
バスの時間までは、お土産のチョコレート(ブラジルで避暑地の名物といえばチョコ)を買いつつ、バスターミナルに戻ります。
途中、こんな、建物をみかけました。
左は、歯科診療所なのですが、名前が読めません(笑)
右は、ちっちゃなクリーニング屋。建物がかわいい。
さて、バスターミナルに戻ろうと思ったらなにやらイベントをやっていましたが、素通りしてバスターミナルへ。
ただいまの気温13℃。奥のオネーサンの格好が日本じゃ考えられない。
人によって、感じ方はそれぞれ。ダウンジャケットの人もいれば、タンクトップの人もいる。
それでいいじゃない・・・。
西ヨーロッパと同じ気候区分?
調べたら、GramadoやCanelaはケッペンの気候区分によるとCfbで、いわゆる西岸海洋性気候で西ヨーロッパと同じです。
一方、ふもとのPorto Alegreやサンパウロは東京と同じCfa (温暖湿潤気候、英語でいうと、Humid subtropical climate)です。subtropicalなんですよね実は・・・。どうりで、夏が暑いわけだ。
寒い時には寒いところに、暑い時には暑いところに
あ、因みにGramadoやCanelaのハイシーズンは、クリスマスの時期と、冬です。
ブラジルの人は、どうも、寒い時期には、もっと寒い地域に行き、暑い時期には、もっと暑い地域に行く、と言われています。冬は日本で言うところの避暑地が人気、夏はもちろん海が人気です。
ブラジルの南東部から南部は、日本と同じ気候区分(Cfa)にあたりますが、冬でも日本ほど寒くなりません。
ダウンジャケットやコートなど冬の装いは、年に10回程度着るか着ないかという年もあります。
そこで、ブラジルの人たちは、冬となると、これらの装いをもって、寒い地域へと寒さを求めて行くのです。
寒い寒いと良いながら、フォンデュを突いたり、スープを飲んだりして、寒い冬を楽しみます。
アクセスのしかた
ポルトアレグレのバスターミナルで、高速バスで向かいます。
所要時間はおよそ2時間。
バスターミナルは、会社ごとではない(2011年当時)ので、窓口でGramado行きのチケットを購入します。
CanelaとGramadoは、ストリートビューが提供されているので、散策してみてください。
ヨーロッパらしさが楽しめると思います。