Livre para Viver

日本語とポルトガル語とその周辺

外国人労働者受け入れについての雑感

外国人労働者受け入れ

外国人労働者受け入れの話題が日本語教育業界の界隈でもにぎやかになっているような印象です。
すでに多くの記事が出ているので、目に触れている方も多いことと思います。
この記事によれば、来年の1年間で最大4万7000人の受け入れを見込んでいるとのことで、驚くやらあきれるやらです。
これら国会での議論を受けて日本語教育学会が、「外国人受け入れの制度設計に関する意見書」を発表しています。 *1
日本語教育学会は以下のような提言をまとめているようです。

提言1:
在住外国人との中長期的な共生を見据え、社会統合という観点から日本語教育の在り方を明確に位置づける基本法を制定した上で外国人受け入れの議論を進めること

提言2:
日本語教育に関する質の保証を行うために、国による財政措置を担保すること

提言3:
外国人に帯同する家族(配偶者や子ども等)や日本国籍を有する日本語非母語話者の子どもなどに対する日本語教育支援を充実させること

まさに、上記のことが大切であることはいうまでもありません。しかし、これのために予算を措置し、資格のある人を十分に確保し、長期的な政策を立案することが来年までに可能なのでしょうか。

仮に4万7000人全員に日本語教育を行うことになるとすると、1人あたり100人としても470人の日本語教師が必要です。
今回の政策は時期尚早といっても過言ではないように思います。

使い捨て労働者

2008年のリーマンショックの時に、主に南米から来日し働いている労働者に対し、帰国支援事業が行われました。
これは、「帰国を決意した離職者に対し、一定の条件の下、帰国支援金を支給する事業を平成21年度より実施することとしたもの」*2で、「支援を受けた者は、当分の間、同様の身分 に基づく在留資格による再入国を認めないこととする」とした制度です。
要するに、帰国するための費用は出してあげるが、景気が回復するまで戻ってくるなという制度です。
当時「ご都合主義」「使い捨て」などの批判を散々に受けた制度です。
今回は、日系3世までの方たちへの要件をずっと厳しくしたような制度になっているようです。

日本語教育の問題

家族帯同を原則として認めないとしていますが、一つには、外国人の子供の就学支援をしたくないということもあるのではと勘ぐってしまいます。
外国人の子どもたちへの支援は、自治体任せな一面があるようで、外国人が多い自治体、大企業が立地しているなどで財政基盤がしっかりしている自治体は、大学と連携するなどして、手厚い日本語教育支援を行っているようです。*3
しかし、外国人受け入れ政策というのは、国が主導して行っているものであり、言語保障も国が率先してすべきことだと思います。
現在の日本、特に外国人が少ない地域で、憲法に保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」を行うためには、日本語が話せることがほぼ必須ではないでしょうか。
そのために必要な最低限度の日本語を学んでもらう、そのための体制を作ることは、外国人を受け入れる前にすべきことであるはずです。

まずは国内に住んでいる外国人のことが先

外国人に対する日本語教育自治体任せだったり、大学やNPOや主導して行っていたりと、国が本腰を入れているとは思えません。
国内に住んでいる外国人、特に労働者として日本に住んでいる生活者の方への支援により実績を蓄積し、ノウハウができてからでないと、外国人を受け入れても、トラブルが発生し続けるだけだと考えられます。
政府は移民政策であることを認め、現在日本に住んでいる外国人の言語保障、実習制度に関わる問題の解消などをしっかりし、外国人の人が十分な権利を行使し、公的サービスを享受できるようにしてからでないと、国際社会の批判は免れないのではないかと思います。

専門家でもないのですが、ざっと、ここのところのニュース等を見ていて思ったことを書いてみました。