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日本語とポルトガル語とその周辺

【メモ】MacでMeCabをUniDicで使う方法

現任校に着任してから、医師国家試験の分析を進めています。数ヶ月内に学会発表などができたらいいなと考えています。他の日本語教員と共同で進めているため、一人で進めるよりも格段に早く進みます。年度内に、何らかの形で、公表できればいいなと思っています。

その際に、手持ちのMac Book Pro (Mid 2010, Mac OS X 10.12.5) でMeCabをインストールし、辞書としてUniDicを入れたのでその方法を紹介します。

私自身は、GUIベースでできること以外には疎く、かなり苦戦しました。同様の背景の方がMeCabでUniDicを用いて形態素解析しようと思った際に、参考になればと思いこのエントリーを書きました。

本学で各教員に提供されているコンピューターはWindows 10で、文字コードの問題かうまく形態素分析の処理ができなかったため、使い慣れた手持ちのMacに入れることにしたのですが、Macにインストール・使用する際にも苦戦しました。自分のための覚え書きとしてメモしておきます。

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【覚え書き】医療コミュニケーション研究に関する入門書

先日の記事でご報告したように、今年度より国際医療福祉大学に着任し、医学部をはじめとする医療系専門職を目指す学生の日本語教育に従事することになります。

そのうち看護については、EPA*1などもあり、既に先行研究がかなり行われています。看護の日本語教育は、既にいくつかの教材が開発されており、一般に販売されています。*2

一方、医学部の日本語教育については、実践報告レベルでの論文が中心となっているようです。*3

着任した大学は、新入生140名のうち20名が留学生であり、これだけの留学生が在籍しているのは、全国でも例をみないようで、これらの先行研究を参考にしつつも独自の日本語教育を作り上げていく必要があります。

今後は、医療コミュニケーション分野の知見も参考にしながら、研究を進めて行かなければなりません。そして、その研究の成果を医学生日本語教育に還元していく必要があります。

医療コミュニケーションは一種の制度的な談話であると考えられます。私も制度的な談話には興味をもちつづけていますが、研究の対象としてきたのは、教室談話。医師と患者とのコミュニケーションや、医療者同士のコミュニケーションについては、無知もいいところです。そこで、まずは、研究のとっかかりとして、どのような研究があるのかを知り、それらの概要を学ぶことにしました。

いくつかの本を購入したり図書館で借りたりしましたが、いまのところ

  1. 医療コミュニケーション研究会(編集)(2009)『医療コミュニケーション―実証研究への多面的アプローチ』篠原出版新社
  2. 石崎雅人・野呂幾久子(監修)(2013)『これからの医療コミュニケーションへ向けて』篠原出版新社.

の2冊がよさそうな印象です。

1. は医療コミュニケーションの研究を概観し、主な研究手法を紹介しています。社会言語学的なアプローチ*4、機能的アプローチ*5、会話分析、ナラティブ分析、異文化分析、カウンセリング心理学といった複数の視点から見た医療コミュニケーションを具体的な研究成果を紹介しています。

2. は、医療コミュニケーション研究を、医療の現場にどう活かしていくのかという観点で紹介しているものです。1. が研究手法の指南だとしたら、研究成果をよりよい医療コミュニケーションのために活用するというのが、この本です。まだ、読めていないのですが、今後医療職に関わる学生たちの指導にあたっているので、勉強しなければと思っています。

日本ヘルスコミュニケーション学会にも先日加入に、秋の学会に参加しようと思っています。まだまだ勉強しなければいけないことが多くあります。医学系の留学生の日本語教育を行っている先生方のみならず、看護や介護の日本語の研究者の方などからも勉強させて頂きながら、今後は研究していきたいと思っています。

 

*1:経済連携協定, 詳細は外務省サイト参照

*2:たとえば、『外国人のための看護・介護用語集―日本語でケアナビ 英語版』や『専門日本語入門 場面から学ぶ介護の日本語【本冊】』など。

*3:松元宏行 (2000)「医学系留学生のための専門日本語教育」専門日本語教育研究 , pp.46-53.など 

*4:といっても幅広いですが、紹介されているのは、ポライトネスが中心です。

*5:Balesのインタラクションを統計的に分析するための手法であるIPA (Interactin Process Analysis)を医療に特化させたRIAS (Roter Interaction Analysis System) を用いたものが紹介されています。

国際医療福祉大学成田キャンパスに就職しました!

だいぶ前の話ですが、今年の2月に国際医療福祉大学成田キャンパスの総合教育センター助教(語学教育センター・日本語別科併任らしい)に着任いたしました。

およそ2年の専業非常勤生活の末、常勤職に就くことができました。

私、成田市の隣で生まれ育ったので、地元に戻ってきた感じです。

医学部・看護学部・保健医療学部の3学部の医療系専門職の日本語教育ということで、長年興味はありつつも関わりの薄かった専門日本語教育に目を向けなければならなくなりました。(嬉しいことではありますが!)

ただ、着任から3ヶ月ほどは、医学部に入学する留学生の予備教育をしながら、今年度新設の医学部のカリキュラム作りを、行わなければならなかったり、4月になってもいろいろごたごたしていたりで、ようやく落ち着いてきた所です。

同僚の先生方と、少しずつ研究の話もできるようになってきました。学会にも少しずつ参加したいと思っています。(子どもが小さいので、なかなか難しくはありますが・・・。)

 

既設2学部も昨年度開学しているので、ほぼ何もない状態で、1から作り上げた感じです。

何もなかったところから、日本語教育を立ち上げるというのは、大変ではありましたが、良い経験になりました。

 

医学部生に対する日本語教育に関する研究は、ほとんど行われていません。自分自身も研究を進めつつ、他の先生方の研究にもどんどん参加して、(うちの大学の日本語教育の)知名度を上げていければいいなと思っています。

はじめてのおしごと

ということで、いままでやったことのないことに携わる機会が多いです。

たとえば

科研費のスタート支援に応募

新設の学部で、資料や機器が揃っておらず、研究費を確保しなければ、研究ができない状況にあるため、科研費に早速応募しましたよ。通ったらいいなー!

カリキュラム作り

いままでは、既にあるカリキュラムに乗っかる形で日本語教育に携わってきましたが、専任になった瞬間からカリキュラム作りや教科書選定に携わることになりました。良い経験になりました。

 

などなど、新設大学ならではのことがいろいろとありました。

これからは、少しずつ医学部や看護学部、保健医療学部の様子もご紹介できたらなと思っています。

 

蛇足ですが・・・

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