Livre para Viver

日本語とポルトガル語とその周辺

妊娠から出産まで(5)『黄疸・出生届け・妻の退院』

 前回の記事では、産まれるまでの話を書きました。

この記事では、妻が入院中の出来事を書きたいと思います。

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病院は、分娩室に入ることはできなかったため、私は待合室で、待機でした。

2時間後には、看護師さんに呼ばれて、分娩室へ。頑張った妻と赤ちゃんに対面しました。

新生児黄疸との診断

無事産まれてきた赤ちゃんでしたが、産まれて2日目ぐらいの頃に、新生児黄疸との診断が出ました。

この後の治療の経過にもよるけれども、2日ほど赤ちゃんのみ入院という形になるだろうとのこと。

というわけで慌ててすることになったのが、出生届けの提出。

市役所へ

というわけで、あわてて市役所へ。確か、病院から勧められたからでした。

というのも、

・小児科診療になるから、診察券を作った方が良い

・医療福祉(マル福)が使えるように、受給者証を貰った方が良い

とのことをいわれた気がします。

市役所では、あっけなく出生届けの提出が終わり、マル福の受給者証の他、国保の保険証なども同時に作ってもらいました。

それをその日のうちに行い、病院へ。診察券の作成、保険証・マル福の受給者証の提出をしました。*1

マル福とは

上述したマル福は「小児(外来:小学6年生・入院:中学3年生まで)・妊産婦・ひとり親家庭(母子家庭・父子家庭)・重度心身障害者などの医療福祉受給対象者の方が、必要とする医療を容易に受けられるよう、医療保険で病院などにかかった場合の一部負担金相当額を公費で助成し、医療費の負担を軽減する*2茨城県独自の制度です。

 これはもちろん、各都道府県でそれぞれ同じような制度があります*3が、茨城県では、小児等の場合、外来診療は、自己負担額600円、入院は300円(月3000円限度)となる制度です。

黄疸のため、小児科に入院という形になった息子の医療費が極めて安くなります。保険証・受給者証を病院に提出しておかないと、立て替えて後ほど市役所で手続きをする必要があります。

出生届けの手続きはおはやめに!

というわけで、今回勉強したことは、出生届けの手続きはできるだけ早くしておくことです。

後々のめんどくさい手続きを避けることができ、また、子どもが万一入院するようなことがあっても、出費の必要がなくなります。

病気がなくても、出産後の支払いの負担は大きいもの。その負担をできるだけ減らすためには、市役所への届け出を早めにするのが吉かもしれません。

*1:当時、博士論文の提出の時期と重なっていたため、忙しい中なんとかやりとげました。

*2:医療福祉(マル福)のしくみ/茨城県

*3:たとえば、隣の千葉県では、市町村ごとに自己負担額や所得制限が定められており、自己負担額が0円となる市町村もあります。

MemriseとQuizlet、日本語の授業ではどちらが良いか

今学期から、新たな取り組みとして、語彙を覚えるためにWebアプリを活用することにしました。

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 以下の2点が主な理由です。

・授業での語彙の習得度が違い、練習時に授業が滞ってしまうことがある。

・スキマ時間に効率的に語彙を覚えて欲しい。

そこで、Web上で使え、かつ、語彙リストをこちらで用意できるWeb上の語彙学習サイト(アプリ)を探していたのです。

条件として、以下の6点を考えました。

(1)語彙リストが自分で用意できること。

(2)教員側で学習者の進捗状況が把握できること。

(3)音声をこちらがわで用意できること。

(4)画像などが入れられること。

(5)Android / iOSアプリがあること。

(6)(苦手なものや、過去に覚えたものの)反復練習が可能であること。(ただのフラッシュカードではないこと)

(1)〜(2)に関しては、授業で使うため必要なことです。自分が使うだけだったら、これらの機能は不要かもしれません。

(3)は、カナを見れば読み方は分かりますが、アクセントなどはどうしても把握できません。(アクセントを書くのもスマートではない気がしますし。。。)字面だけでなく、耳で覚えることが必要だと考えるためこの機能が必要だと考えました。

(4)は、画像があった方が、意味理解の助けになる場合があるためです。

(5)は、「スキマ時間で勉強できること」を目論んでいるため、寝る前や休み時間、研究の合間にできることが望ましいためです。

(6)も重視しました。Webだからできる機能が欲しいです。

上記6点を考え、取り敢えずQuizletMemriseに絞りました。

いずれもある程度は無料で使えますが、高機能版は有料となります。

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一方的な知識提供型の教授法からの脱却を目指したい

昨年度より本格的に日本語教育にふたたび従事するようになり、日本語教育や教授法の勉強を少しずつ勉強を進めています。

とはいっても、コマをこなすことで、精一杯で、なかなか進まないのですが・・・。

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一方的な知識提供型の教授法は、私が担当しているような分野には、合わないのだろうなと感じています。

ある非常勤先で担当している「文章表現」の授業では、一定以上の日本語力がある留学生と、日本で高校までの教育を受けた学生しかいないため、グループでディスカッションし、クラスで共有、コメントをするという形態で進めており、「積極的に参加しない学生がいる」「教科書などを理解するのに充分な日本語力がない学生がいる」などの不満の声は上がっていますが、学習効果としては、ある程度手応えを感じています。

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ただ、特に初中級の日本語教育の現場では、なかなか実現できていないところです。

日本語の力、教えている機関の方針などさまざまな要因はありますが、後者は仕方がない一面もあるものの、前者については(私自身が)甘えているだけかもなーっと感じています。

学習していないことであっても、どんどん話すトレーニングはできるわけですよね。テンプレートを用意して、そこに、様々な語彙を当てはめていく。言えること、言いたいことベースですすめていきたいなと普段から考えています。

自分自身は,ポルトガル語や英語は文法積み上げで学んできました。ただ、ことポルトガル語に関しては、自分の言いたいこと(理解したい文章)があり、それに必要な語彙や文法を自分で調べることも並行してきました。

私が対象とする学習者も,その多くは,日本語はあくまで進学先で使ったり、研究室で使ったり,授業で使ったり,つまり使うために学習している人がほとんどです。
(日本にいる学生が対象なので,語学を趣味にしているとか,外国語もしっておきたい,という学生は,あまりいないと思います)

今学期からの取り組み

「言いたいこと」を話す練習をする

Conversation

というような問題意識をずっともってはいたのですが、なかなか実現できないでいましたが、今学期からは、積極的に取り入れていこうと思っています。

ある大学の初級日本語のクラスには、専門的な教育は主に英語で受けているし、ゼミも英語主体で行われているけれども、日本での生活や研究室の同僚とのやりとりに日本語が必要という学生が来ています。

そこでは、主に、『初級日本語 げんき』(ジャパンタイムズ)という教科書を使っています。この教科書は、文法の説明が詳しく、それも英語で載っていて、(第一言語ではないにせよ)英語が得意な学生には好評です。分からないところや忘れたところを英語での説明を読みながら確認できるのがメリットです。一方、文型積み上げ式が中心であるというのは、他の多くのテキストと変わりません。

GENKI: An Integrated Course in Elementary Japanese II [Second Edition] 初級日本語 げんき II [第2版]

GENKI: An Integrated Course in Elementary Japanese II [Second Edition] 初級日本語 げんき II [第2版]

 

 いままでは、これのみを中心に使っていましたが、学生からは

「研究室の人と話しが続かない」

「英語しか主に使わないから覚えられない」というコメントを貰っていました。

今学期からは、話す練習、それも「言いたいこと」*1を話す練習をしたいと考えています。

「〜が言いたい」というところを出発点とした練習も取り入れていきたいと考えています。

まずは、下記の教科書を使ってパターンに入れていく練習をして、述べたいことが口から出てくるようにします。

わたしのにほんご - 初級から話せるわたしの気持ち・わたしの考え

わたしのにほんご - 初級から話せるわたしの気持ち・わたしの考え

 

次に、下記の本の中から、いくつか活動をピックアップして、2〜3回の授業で取り組んでいきたいと考えています。

 学生が今学期修了するときまでには、「自分の言いたいこと」を「言いたいスタイル」で言えるようにしたいと思っています。

語彙はWebアプリを活用

語彙の定着は学生によって差があります。

いままでは、課の最初や最後に語彙のテストをし、勉強は学生まかせだったのですが、語彙が出てこないと練習もままならなかったりします。(語彙の説明に時間を取られるので・・・)

そこで、今学期からはWebアプリを活用しようと考えています。

調べたところ、教員が語彙を自分で登録できて、かつ、暇な時間にクイズ形式で練習できるようなサイトがいくつかありました。その中で、

quizlet.com

www.memrise.com

という2つのサイトが候補にあがりました。

それぞれ、語彙を入力して試してみたのですが、どうも、どちらもメリット・デメリットがありそうです。

結局、いろいろ考えたり、大学での使用事例を調べたりして、"memrise"を使うことにしました。*2

どちらの語彙サイトもAndroid/iPhoneアプリがあり忙しい学生にとってはすき間時間に勉強できて良さそうです。

 

これらの成果が効を奏すか分かりませんが、旧来の教え方に捕らわれず、少しずつ授業改善を図っていきたいと考えています。

*1:文型積み上げ式のテキストだと、与えられたキーワードを入れたりして練習するので、「言いたいこと」を伝える練習がなかなかできません。

*2:日本語授業で使う上での大きな欠点は、フォントです。一部の漢字はゴシック体、それ以外の漢字は明朝体で表示され、また、小さい「っ」が真ん中にきてしまい(つまりちょっと上に上がる)判別しにくくなります。フォントを選べるようにして欲しいです。