Livre para Viver

日本語とポルトガル語とその周辺

一方的な知識提供型の教授法からの脱却を目指したい

昨年度より本格的に日本語教育にふたたび従事するようになり、日本語教育や教授法の勉強を少しずつ勉強を進めています。

とはいっても、コマをこなすことで、精一杯で、なかなか進まないのですが・・・。

b.livreparaviver.net

b.livreparaviver.net

一方的な知識提供型の教授法は、私が担当しているような分野には、合わないのだろうなと感じています。

ある非常勤先で担当している「文章表現」の授業では、一定以上の日本語力がある留学生と、日本で高校までの教育を受けた学生しかいないため、グループでディスカッションし、クラスで共有、コメントをするという形態で進めており、「積極的に参加しない学生がいる」「教科書などを理解するのに充分な日本語力がない学生がいる」などの不満の声は上がっていますが、学習効果としては、ある程度手応えを感じています。

b.livreparaviver.net

ただ、特に初中級の日本語教育の現場では、なかなか実現できていないところです。

日本語の力、教えている機関の方針などさまざまな要因はありますが、後者は仕方がない一面もあるものの、前者については(私自身が)甘えているだけかもなーっと感じています。

学習していないことであっても、どんどん話すトレーニングはできるわけですよね。テンプレートを用意して、そこに、様々な語彙を当てはめていく。言えること、言いたいことベースですすめていきたいなと普段から考えています。

自分自身は,ポルトガル語や英語は文法積み上げで学んできました。ただ、ことポルトガル語に関しては、自分の言いたいこと(理解したい文章)があり、それに必要な語彙や文法を自分で調べることも並行してきました。

私が対象とする学習者も,その多くは,日本語はあくまで進学先で使ったり、研究室で使ったり,授業で使ったり,つまり使うために学習している人がほとんどです。
(日本にいる学生が対象なので,語学を趣味にしているとか,外国語もしっておきたい,という学生は,あまりいないと思います)

今学期からの取り組み

「言いたいこと」を話す練習をする

Conversation

というような問題意識をずっともってはいたのですが、なかなか実現できないでいましたが、今学期からは、積極的に取り入れていこうと思っています。

ある大学の初級日本語のクラスには、専門的な教育は主に英語で受けているし、ゼミも英語主体で行われているけれども、日本での生活や研究室の同僚とのやりとりに日本語が必要という学生が来ています。

そこでは、主に、『初級日本語 げんき』(ジャパンタイムズ)という教科書を使っています。この教科書は、文法の説明が詳しく、それも英語で載っていて、(第一言語ではないにせよ)英語が得意な学生には好評です。分からないところや忘れたところを英語での説明を読みながら確認できるのがメリットです。一方、文型積み上げ式が中心であるというのは、他の多くのテキストと変わりません。

GENKI: An Integrated Course in Elementary Japanese II [Second Edition] 初級日本語 げんき II [第2版]

GENKI: An Integrated Course in Elementary Japanese II [Second Edition] 初級日本語 げんき II [第2版]

  • 作者: Eri Banno 坂野永理,Yoko Ikeda 池田庸子,Chikako Shinagawa 品川恭子,Kyoko Tokashiki 渡嘉敷恭子
  • 出版社/メーカー: ジャパンタイムズ
  • 発売日: 2011/09/30
  • メディア: ペーパーバック
  • 購入: 1人 クリック: 6回
  • この商品を含むブログを見る
 

 いままでは、これのみを中心に使っていましたが、学生からは

「研究室の人と話しが続かない」

「英語しか主に使わないから覚えられない」というコメントを貰っていました。

今学期からは、話す練習、それも「言いたいこと」*1を話す練習をしたいと考えています。

「〜が言いたい」というところを出発点とした練習も取り入れていきたいと考えています。

まずは、下記の教科書を使ってパターンに入れていく練習をして、述べたいことが口から出てくるようにします。

わたしのにほんご - 初級から話せるわたしの気持ち・わたしの考え

わたしのにほんご - 初級から話せるわたしの気持ち・わたしの考え

  • 作者: 杉浦千里,小野寺志津,ボイクマン総子
  • 出版社/メーカー: くろしお出版
  • 発売日: 2011/03/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • クリック: 3回
  • この商品を含むブログを見る
 

次に、下記の本の中から、いくつか活動をピックアップして、2〜3回の授業で取り組んでいきたいと考えています。

会話の授業を楽しくするコミュニケーションのためのクラス活動40―初級後半から上級の日本語クラス対象

会話の授業を楽しくするコミュニケーションのためのクラス活動40―初級後半から上級の日本語クラス対象

  • 作者: 石黒圭
  • 出版社/メーカー: スリーエーネットワーク
  • 発売日: 2011/10
  • メディア: ハードカバー
  • 購入: 1人 クリック: 3回
  • この商品を含むブログを見る
 

 学生が今学期修了するときまでには、「自分の言いたいこと」を「言いたいスタイル」で言えるようにしたいと思っています。

語彙はWebアプリを活用

語彙の定着は学生によって差があります。

いままでは、課の最初や最後に語彙のテストをし、勉強は学生まかせだったのですが、語彙が出てこないと練習もままならなかったりします。(語彙の説明に時間を取られるので・・・)

そこで、今学期からはWebアプリを活用しようと考えています。

調べたところ、教員が語彙を自分で登録できて、かつ、暇な時間にクイズ形式で練習できるようなサイトがいくつかありました。その中で、

quizlet.com

www.memrise.com

という2つのサイトが候補にあがりました。

それぞれ、語彙を入力して試してみたのですが、どうも、どちらもメリット・デメリットがありそうです。

結局、いろいろ考えたり、大学での使用事例を調べたりして、"memrise"を使うことにしました。*2

どちらの語彙サイトもAndroid/iPhoneアプリがあり忙しい学生にとってはすき間時間に勉強できて良さそうです。

 

これらの成果が効を奏すか分かりませんが、旧来の教え方に捕らわれず、少しずつ授業改善を図っていきたいと考えています。

*1:文型積み上げ式のテキストだと、与えられたキーワードを入れたりして練習するので、「言いたいこと」を伝える練習がなかなかできません。

*2:日本語授業で使う上での大きな欠点は、フォントです。一部の漢字はゴシック体、それ以外の漢字は明朝体で表示され、また、小さい「っ」が真ん中にきてしまい(つまりちょっと上に上がる)判別しにくくなります。フォントを選べるようにして欲しいです。